探偵が尾行しても罪に問われない？違法行為にならない理由を解説！

探偵が尾行しても罪に問われない？違法行為にならない理由を解説！

 

探偵は浮気調査、行方調査、あらゆる調査を行いますが、その過程において張り込みや尾行は欠かせないでしょう。

尾行調査を行う際には対象者に接近することもあり、場合によっては対象者の住まい近くを歩くこともあります。迷惑防止条例やストーカー規制法がある中で、探偵が尾行調査や張り込みを行う事はそれらの法に触れ罪に問われることはないのか？と気になったことはないでしょうか？

 

今回は、探偵による尾行が罪に問われる可能性について詳しく解説したいと思います。

1.探偵の調査は探偵業法により定義されている

 

探偵による尾行は探偵業法によって定義されており、調査するうえで人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければいけません。探偵業法では迷惑防止条例やストーカー規制法をはじめとし、他の法令で禁止・制限されているものについても抵触しないよう義務づけられています。

 

探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)

 

探偵業を営む者は、営業所ごとに地域を管轄する都道府県公安委員会（警察を管理する行政機関）に届け出をすることが義務づけられていて、廃業する際にも同様に届け出を行うことが義務づけられています。業務で知り得た個人情報を漏えいしてはならないことも決められており、もし法に触れるような手段を用いて調査を行った場合には、公安委員会が探偵業者に対し措置を講じるよう命じますし、場合によっては営業停止の処分を命じる事もあります。

 

探偵業法の2条の条文では、『「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞き込み、尾行、張り込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務を行う営業をいう。』とされています。

 

探偵による「尾行」の定義は、依頼を受けて相手に気づかれないように後をつける行為です。後をつけて、その行動を監視するというのは警察が容疑者の行動を監視する際にも用いられる手段です。また「張り込み」とは対象者の動きなどを長時間に渡りある場所に待機して見張り続ける事です。

張り込みは、尾行のように特定した人物の行動を追いかけるのではなく、その人物の生活圏である自宅や勤め先などに重点を置き、行動を監視するものです。どちらも相手に気づかれないように行う調査です。

 

探偵業法の6条前段で『他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものでないことに留意する』とされ、また六条後段の条文では『違法行為や人々の平穏な生活や権利を侵害するような行為をしてはならない』と明確に記されており、探偵であるからといって調査する上で法に触れる事は許されることではなく、相手に不安を覚えさせるような態様で、悪意をもって行われるものでもありません。

 

2.条例や法律からみた犯罪にはならない理由とは

探偵による尾行が迷惑防止条例違反（つきまとい行為）などの犯罪に該当しないことは、条例や法律にもしっかりと明記されています。それぞれの条例や法律を詳しく見てみましょう。

 

2.1迷惑防止条例

迷惑防止条例は各都道府県によって多少異なるもので、『公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例』などとされており、つきまとい行為・押売行為・不当な客引き行為などがそれに該当されます。その中でも、つきまとい行為については『特定の相手に対する恨み・ねたみなど、悪意の感情を充足する目的である場合』とされています。

 

特定の人物の住居付近を行動するという点だけを見ると、尾行とつきまといは似ているように見えますが、探偵業法に定めた「他人の依頼を受けて情報収集を行う目的」とは明らかに相違している事がわかります。

 

また、迷惑防止条例の定義するつきまとい行為は「不安を覚えさせるような方法」としていますが、探偵業法では聞き込み・尾行・張り込みをして人の生活の平穏を侵害してはならないと定められています。この点から見ても、探偵が行う尾行や張り込みと迷惑防止条例違反に該当するつきまとい行為は家の周辺を行動するという点は同じかもしれませんが全く違うものと解釈することができます。

2.2ストーカー規制法

ストーカー規制法の正式名称は『ストーカー行為等の規制等に関する法律』です。

『ストーカー行為等の規制等に関する法律』に書かれているストーカー行為とは、特定の人に対する恋愛感情や好意が満たされなかったことに対する悔恨の感情を充足させる目的で行うものとされています。

 

またストーカー規制法は個人の身体・自由・名誉が侵害されるのを防ぐ目的で制定されたもので、その規制の対象となるのは「つきまとい等」「ストーカー行為」の二つです。待ち伏せ・つきまとい・押し掛け・住居付近のうろつき等をすることで、特定の人やその周囲の人に不安を覚えさせるような行為のことを指します・

また、2021年には改正され拒まれたにも関わらす連続して“文書”を送る行為も規制対象となりました。

ストーカー規制法に定められたつきまといとは異なり、探偵が行う調査は個人的な感情や怨念の伴う感情の充足を目的としているのではなく、仕事として行動しているのでストーカー規制法の行為に該当しないのです。

 

 

 

探偵による尾行は基本的には違法行為にならない

探偵による尾行は基本的に犯罪にはあたりません。

「探偵業の業務の適正化に関する法律」にも、探偵業務の中でも明確に定義づけられています。

探偵が尾行や張り込みの調査を行う際は、相手に気づかれないように行うことが重要となります。

もし対象者に気づかれてしまうと調査が危うくなるだけでなく、対象者が不安や迷惑を感じた場合には違法になってしまう事もあります。

違法な手段を用いた調査は公安委員会から処分を受けることがありますし、探偵業務を行う場合には法令を順守することが求められているので違法な手段を用いた調査や平穏を害する尾行・張り込みは犯罪に該当します。

調査を行うために行った行為が他の犯罪に該当していれば行政罰に加えて刑事罰を受ける可能性もあるのです。

 

知らないと危険！浮気調査でやりがちな違法行為についてはコチラ！

まとめ

探偵は法に則り適正な調査を行います。

できる事なら自分で調査をしたいと思ってご自身で行おうとする方もいますが、ご自身で行う尾行は違法行為にあたってしまう可能性があります。

尾行の必要がある調査をしたいと考えたときには安全に調査を行う事ができる探偵に依頼すると良いでしょう。

ARC探偵事務所ではご依頼主の問題、お悩みの解決を一番に考え、調査いたします。

慰謝料を請求するには、確実な証拠が必要です。ARC探偵事務所なら、優秀な調査官が高い調査力を生かし、裁判や調停で有効な証拠集めと報告書作成を行います。

初めてのご依頼、不安なことが多いかもしれませんが安心してお任せください。

 

ARC探偵事務所へのお問合せはこちら