ストーカー対策でやってはいけない事
最近誰かにいつも後をつけられている気がする…。そんな毎日を送っていたら、恐怖や不安でいっぱいになってしまうでしょう。現代は老若男女問わず、誰もがストーカー被害に遭う危険性を持っています。
元恋人や配偶者からのつきまとい、見ず知らずの全くの他人からの一方的な恋慕、怨恨による執拗な嫌がらせ、ネットストーカーなど、ストーカー問題は決して他人事ではありません。
では、もしストーカー被害に遭ってしまったら、どのように対応すればいいのでしょう。
ここではストーカー被害に遭ってしまったときにやってはいけない事について解説していきます。
目次
ストーカー被害でやってはいけないこと
ストーカーに対して最もやってはいけない事、それは『ストーカーを刺激する事』です。
そのため、まずはどのようなことストーカーに対して刺激になるのかストーカーの心理を知っておく必要があります。
これを知っておかなければ「こうすれば諦めてくれるだろう」「こういうことをすれば嫌いになるだろう」と思ってしたことが逆効果になり、状況を更に悪化させてしまう危険があるのです。
では、まずストーカーの心理を知ってから、やってはいけない行動について順番に詳しく見ていきましょう。
なぜストーカーをするのか?その心理とは
例えば、交際を申し込んで「好きな人がいるからごめんなさい」と断られた場合、普通の方ならば「残念だけれども仕方ない…」「ほかに好きな人がいるなら諦めよう」などといったような考えを持つでしょう。しかし、ストーカーの思考回路は一般的な人とは違うため、そのような考え方に至りません。
ストーカーをするような人は、『自分の非を認められない』『思い込みや妄想が激しい』『依存心・執着心が強い』といったような特徴が見られます。
そのため、上記と同じように交際を断られた時にでも「その邪魔な相手がいなくなれば自分と交際してくれるはず」「誰かが邪魔をしているのかも」「自分に好意がないはずがない」などと、自分と相手とのこともあるのです。
また、時には「自分が精いっぱいの想いを告白したのに断るなんて許せない」と逆恨みし、怨恨からストーカーになるようなケースもあります。
このように、『ストーカーには一般的な常識や思考が通用しないことがある』ということを念頭に置いていただいた上で、次にストーカーにしてはいけない行動を見ていきましょう。
ストーカーにやってはいけない6つの事
では、ストーカーにやってはいけない6つの事について詳しく解説していきます。
ストーカーの行動に過剰な反応をする
ストーカーの行動に対してあからさまに怖がったり声を荒げて怒鳴ったりなど過剰な反応を示すと、ストーカーは「そんなつもりでしているんじゃない」と誤解を解こうとして、さらにあなたに接触してくる可能性があります。
ただ「誤解を解きたい」という感情が、いつしか「なぜ理解してくれないのか」「分かってくれないなんて酷い」という焦燥と憎しみに変わり、暴力などの攻撃に出ることも考えられます。相手の行動がストーカーだと感じたら過剰な反応をしないよう心がけましょう。
ストーカーに冷たい態度を取る
ストーカーに対し、迷惑や拒絶を見せつけるために極端に冷たくしたり無視をすると、ストーカーの感情を逆撫でしてしまうかもしれません。
ストーカーは相手から冷たくされる理由を嫌われているからとは考えません。
「気を引きたくて冷たくしているだけだ」などと良いように解釈してさらにつきまといをエスカレートさせることもあれば、「友達の誰かに何か吹き込まれているのかもしれない」と思い込み、周囲の人に憎悪が向けられる可能性もあります。
また、冷たくされ続けることで、怒りがあなたに転嫁される事もあります。
はっきりと拒絶をすることは必要ですが、交際のお断りをする前に態度を急変するのはやめておくべきでしょう。
ストーカー被害をSNSなどで発信する
今はTwitterやインスタグラム、Facebookなど様々なSNSが普及しており、それらを利用している人も大変多くいます。日常の出来事や写真などを投稿する人も多く、それらの投稿はストーカーに自分の行動を事細かく知らせているのと同じです。写真に写った情報から居場所を簡単に特定する事もできます。SNSは、あなたの情報が詰まった宝庫であり、ストーカーからすればとても良い情報源となるのです。いつどのタイミングで投稿を見られているかわかりませんので、常に見られているものと考えましょう。
そのような中で『ストーカー被害に遭っている』といった内容の投稿をすれば、相手は「それは誤解だ!」と反論しようとし、さらに接触の理由を与えることになりかねません。
こういった事から、ストーカーにつきまとわれている間はSNSをなるべく使わない事が賢明でしょう。
中には、「ここに行きたいな~」などというSNSの投稿が自分に向けられたものだと勘違いするストーカーもいます。
相手がSNSを見ているかどうかわからなくても、とにかく外に情報を出さないに越したことはありません。
家族や友人など、身近な人に協力してもらう
ストーカー行為をやめさせようとして「家族や友人に協力してもらおう」と考える事もあるでしょう。
例えば、家族に付き添ってもらって直接「迷惑だからやめてくれ」と話をする、友人に彼氏のふりをしてもらって「今付き合ってるから、もう諦めてくれ」と言ってもらう、などの方法が思い浮かぶかもしれません。しかし、こういった家族や身近な友人の介入はむしろ逆効果になることもあり、危険を伴います。
思い込みが激しいタイプのストーカーであった場合、「あいつがいなければうまくいくはずだ」「うまくいかないのはあいつが邪魔してるからだ」などと考え、協力してくれた家族や友人らに危害を加えるかもしれません。実際、そうして殺傷沙汰の事件が起きたこともあります。
急に連絡先を変える、ブロックする
電話やLINEなどの連絡が頻繁で鬱陶しく感じれば、連絡先を変更してストーカーとの連絡を一切遮断し、SNSのアカウントもすべて消せばいい、と考える人もいます。
しかし、実はこれはストーカーに対してとても危険な行動なのです。
あなたと急に連絡が繋がらなくなり、何の情報も得られなくなったストーカーはあなたに接触をはかろうと躍起になるでしょう。
突然の事にパニックを起こして、何をしでかすかわからない状態に陥ることもあります。
連絡が取れなくなったのは家族や友人のせいだと逆恨みして周囲へ攻撃を与えることも考えられます。
また、突然連絡を絶たれたことへの怒りがあなたに向けられる可能性もあります。
電話番号やメアドを変えたり、突然LINEをブロックするなどの行為は慎重に行わなければいけません。
即警察に通報
ストーカー被害に遭っていると感じたら、すぐに警察に通報しようとするかもしれません。しかし、日本の警察はストーカーで通報しても、具体的なストーカー行為の証拠や、あなたに怪我を負わせたなどの危害の実態がなければ、まずはストーカーに警告する事しかしてくれません。
ストーカーによる重大事件の増加により、警察の対応も昔より素早くなりましたが、過度な期待は禁物です。何も悪気があってやっているつもりもないのに、突然警察から注意を受けてプライドを傷つけられたストーカーは、あなたに対して怒りの感情をあらわにし、危害を加えてくるなど状況の悪化を招くことにもなりかねません。
警察は緊急性のある事件だと判断できる段階でなければ捜査できず、ただストーカーに注意をして逆上させるだけの結果になってしまう事もあるため、警察へは通報ではなく「相談」という形で、まずストーカーの存在を知ってもらい、身辺の見回りを強化してもらうと良いでしょう。また、相談は記録にも残ります。
そして、警察を呼ぶときは、付きまとわれている証拠(メッセージや着信履歴、写真など)を残しておき、提出できるようにしておいてください。
すでに身の危険を感じるようなストーカー行為に遭っているときにはこの限りではありません。
そのときは迷わず、警察に通報するべきでしょう。
以上のように、ストーカー被害に遭っている時にとった行動によっては、より状況を悪化させてしまう事もありますので、ストーカーの心理を把握し適切な対応をとる必要があります。
まとめ
知っている人だけではなく見ず知らずの人がストーカーになっていることもあります。ストーカーには、私たちの考える一般常識や思考が通じないことが多くあり、その対応の仕方には十分に気をつける必要があります。
なるべくストーカーを刺激せず、穏便に解決するために、身近な家族や友人に相談するだけではなく、弁護士や警察などの専門家の介入が必要になることも少なくありません。
相談する際には被害に遭っているという証拠がある事が大切です。ストーカー被害の証拠や記録を残しておくようにしましょう。警察への相談はこの記録にもなり得ます。
また、待ち伏せやつきまとい行為などの被害にあっているときは、探偵や興信所などに頼みその様子を証拠として写真に残すことも有効でしょう。
ストーカー被害に合ったことがある、留守中に誰かが侵入した形跡があるなど、何らかの兆候から調査をしてみると盗聴器が見つかる場合もあります。もし気になることがあれば、問題が大きくなる前にARC探偵事務所にご相談ください。
首都圏及び全国8カ所に相談所がございます。